2007/08/03

実は科学的データのない『ローヤルゼリー』効能【夕刊フジBLOG 8/3】

 古くから不老長寿や免疫能力の向上、疲労回復などによいといわれる「ローヤルゼリー」。働きバチの喉頭腺から分泌されるミルク状の物質で、働きバチの幼虫や、女王バチになる幼虫が成長していくために、生涯にわたって取り続ける食物となる。

 原料は、働きバチが花から集めてきた花粉を体内で消化し分解したもので、はちみつとは異なるようだ。働きバチより約40倍の寿命をもつといわれる女王バチの栄養源とされ、水分やタンパク質、糖分、脂質、ビタミンなどから構成されているという。

 世界的に注目されたのは1950年代。当時のローマ法王が肺炎や老衰で危篤に陥った際、医師がローヤルゼリーを摂取させたところ、健康を回復したと言われている。

 では、科学的なデータはどうなのか? 国立健康・栄養研究所のウェブサイト情報によると、ヒトでの有効性を調べた試験において、現時点では「信頼できるデータが見当たらない」としている。

 さらに、安全性について「各種アレルギー反応が起こる可能性があり、ぜんそくやアトピーの患者に対しては使用すべきでない」「信頼できるデータが十分でなく、妊娠中・授乳中は使用を避けること」などの注意も呼びかけている。

 サプリの臨床データを調べている『おない内科クリニック』(群馬県伊勢崎市)の小内亨医師も「女王バチ用の栄養源ではあるが、はっきりとした科学的なデータは聞いていない。一方、副作用報告では、アレルギーが出ているようだ」と、話している。
(2007.07.17紙面掲載)

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