2004/05/25

ナノチューブ:金属原子を入れる 東大グループが初成功

 ナノ(10億分の1)メートルサイズの円筒構造を持つ炭素結晶「カーボンナノチューブ」に複数個の金属原子を入れることに、中村栄一・東京大教授(有機化学)らの研究グループが世界で初めて成功し、近く米科学アカデミー紀要電子版で発表する。

 同グループはカーボンナノチューブの一種で、直径1〜2ナノメートルの筒の先端が角のように閉じた「カーボンナノホーン」を炉内で580度に熱し、筒の側面に直径1ナノメートル以上の穴を開けた。その後、ナノホーンを取り出し、金属のガドリニウムの化合物と一緒に温めながらかくはんした。

 ナノホーンを電子顕微鏡で観察したところ、ガドリニウムの原子約30個が筒の中央部付近に固まって入り込んでいた。

 中村教授によると、炭素と金属を組み合わせて導電性を制御しやすい複合材料を作ると、新しい半導体開発につながるという。【山本建】
毎日新聞 2004年5月25日 6時19分

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