2006/04/19

体内炎症は大腸がんの黄信号、予防対策への活用に期待【読売新聞 4/19】

 体内の炎症の程度を示す「CRP」というたんぱく質の値が高いほど、大腸がんになりやすいことが、厚生労働省研究班の大規模調査でわかった。


 CRPは通常の血液検査に含まれる項目。大腸がんの予防対策への活用が期待できそうだ。

 研究班(研究責任者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)は、男性約1万5300人、女性約2万6700人を11年半にわたり追跡調査。うち375人が大腸がんになった。

 がんにならなかった人も含め、約1100人について、調査前に提供を受けていた血液のCRP値を通常より100倍以上感度のよい方法で分析、4グループに分けた。その結果、大腸がんになる危険度は、CRP値の最高グループ(血液1リットル当たり0・96ミリ・グラム以上)が最低グループ(同0・24ミリ・グラム未満)より1・6倍高かった。

 研究担当の笹月静・国立がんセンター予防研究部研究員は「大腸がんの危険が高い人をえり分け、予防対策に生かすのに参考になる基礎的成果だ」と話している。

(2006年4月19日14時40分 読売新聞)

2006/04/06

長生きしたいなら「肉食」だ!【夕刊フジBLOG 4/6】

【健康に効く食べ物】
 近年の健康ブームやBSE騒動などで“脱・肉食”志向が強まっている。だが、ちょっと待った! 「長寿になりたければ肉を食え」と説くのは、桜美林大学大学院の柴田博教授(老年学)だ。長寿者研究の視点から、誤解されている栄養管理に警笛を鳴らす。(2006.03.28紙面掲載)

■長寿は低カロリー・高タンパク
 いま日本人の平均寿命は、男性が世界第2位で78歳、女性は第1位で85歳。昨年90歳以上の人口が100万人を突破し、100歳以上の長寿は2万5000人を超える。
 しかし、この長寿国ニッポンも、「いまの若い世代が中高年になるころにはどうなるか。寿命がかなり短くなるのでは」と柴田教授は危惧する。
 その理由は、タンパク質と脂質の1日当たりの平均摂取量が近年著しく低下しているからだ。それに伴い、総エネルギー量も終戦直後(1903キロカロリー)のレベルまで低下している。
 「中高年男性は相変わらず、いい栄養状態をキープしているが、特定の世代が全体の平均を落としている。最悪なのが20代女性、次に30代女性。そして、これらの母親に育てられている1歳から6歳の乳幼児。小中学生も家に帰れば全部、食事内容が悪い」
 柴田教授は大学に着任するまで東京都老人総合研究所で長い間、長寿者調査にかかわり、長寿の食生活を知り尽くす。現代の日本の若い女性層の急変する食細り傾向は、過剰なダイエット意識によるものと思われるが、その悪習慣を子供たちもが押し付けられているというのだ。
 100歳以上の人にみられる長寿食の特徴は、低カロリー、高タンパク。とくにタンパク質は動物性の割合(約60%)が高く、たとえ70歳過ぎでも肉と魚は1対1の割合で取っているのがポイントだ。
 「50歳代の男性で平均1日60?70グラムの肉を食べているのなら、100歳長寿の割合に近いのでそのままでいい。気をつける必要があるのは、『もう年だからタンパク質は魚と豆腐(大豆)にして、肉はやめよう』というパターンです」

■肉食で脳卒中が激減
 そもそも低栄養で短命だった日本の寿命がこれだけ延びたのは、「肉食のおかげ」という。
 「戦後の食生活の近代化。その影響がいち早く出たのが100歳長寿です。戦前から死亡率が圧倒的に高かった脳卒中が、肉食の普及に伴い、激減していったのです」
 肉類などに含まれるコレステロールや脂肪が不足すると脳出血が起こりやすいことは知られている。が、実は脳梗塞の場合でも、日本人に多い脳深部の細い動脈に起こるタイプは血中コレステロールが低すぎる人に発症しやすいのだという。
 そして、肉食が普及しても米国のように心疾患が急増しなかったのは、米飯という主食や、肉より先に魚や大豆でタンパク質を摂取する食文化をもっていたからだ。「ヘルシーな和食というのは戦前の粗食ではなく、昭和50年以降の和食のことをいうのです」

■肉を食べているほど長生き
 現代の生活習慣病増大の背景は『食の欧米化』という観点から、肉食悪玉説の風潮が根強い。もっともこれは『偏食』と混同されているケースも多いのだが、柴田教授は「欧米化なんてしていない」と強調する。
 それは米国と比較して、カロリーは3分の2(2000キロカロリー前後)、脂肪は半分(多くて約60グラム)、肉は4分の1と、栄養の摂取量がまったく異なるからだ。
 「肉食を減らすべきというのは、1日平均270グラム食べている米国の目標を70グラムしか食べていない日本に、そのまま強引にもってきた間違った考え方。もともと肉食量が少ないのに、これ以上減らしたらまた脳卒中などの病気が増加する。とくに高齢者は40グラム強しか摂取していないので、もっと肉を食べた方がいい」。
 日本は肉を食べている人ほど長生きする。米国は豆腐や魚を食べている人ほど長生きするという。日米では長寿の秘訣はまったく逆なのだ。
 それでは“ひどい食事”がこのまま続いたらどんな高齢者になるのだろうか。
 「骨粗しょう症が増えることは間違いない。骨が折れて障害老人になったら寿命が短くなる。それに高齢者というのはコレステロールが低い順に寿命が短いのです」。
 どうやら「肉をしっかり食べて、運動でコントロールする」のが、最も健康的なダイエットのようだ。

 ■データでみた長寿の傾向
★平均寿命の短いアジア諸国のタンパク質の摂取構成は、動物性が4割未満。長寿者のタンパク質の摂取比は動物性と植物性が1対1。
★世界137カ国の分析では、1人1日当たりの脂肪摂取量が120グラムぐらいまでは、多い人ほど寿命が長い。140グラムを超えると次第に短くなり、40グラムを下回ると急に死亡率が高くなる。現在の日本人中年男性の平均摂取量は55グラムで、約25%の人が40グラム未満のレベル。日本人は58?70グラムぐらいが長寿。
★肥満度を示すBMI(体重÷身長の2乗)は、現在、日本人の40?50歳代の平均は23?24で、理想値は22とされる。しかし、最も長寿なのは24?26ぐらいの人。
★血清総コレステロールが220?/dl以上になると治療対象とされるが、寿命は200?250ぐらいの人が最も長い。

2006/04/04

ビタミンC不足で老化促進 都の研究員ら解明【朝日新聞 4/3】

2006年04月03日23時29分
 ビタミンCが不足すると老化が進みやすくなることを、東京都老人総合研究所の石神昭人・主任研究員と東京医科歯科大大学院の下門顕太郎教授らの研究グループがマウスの実験で明らかにした。人の老化のメカニズムの解明につながることが期待できるという。米科学アカデミー紀要(電子版)で4日に発表する。

 マウスなどは人と違い、体内でビタミンCを合成できる。グループは、ビタミンCを合成できないマウスを遺伝子操作でつくり、ビタミンCが少ないえさで飼育した。死亡で半数になる速さを比べたところ、通常のマウスは24カ月かかったが、操作したマウスは6カ月で半数となった。死因は老衰で、4倍の速さで老化が進行したことになる。

 さらに、ビタミンCを全く含まないえさでこのマウスを飼育すると、人がビタミンCの欠乏でかかる壊血病の症状が現れて、約半年後にはすべてが死んだ。

 日本ビタミン学会ビタミンC研究委員会委員長の村田晃・佐賀大名誉教授は「ビタミンCの老化防止作用について、動物実験で科学的な根拠が出たのは初めてではないか。ビタミンCが不足すると老化が進むと言われてきたが、それを裏付けるデータで、より確実になってきた」と話している。

2006/04/03

ニコチン、やはりがん増殖に関与? 抗がん剤の働き阻害【朝日新聞 4/3】

2006年04月03日11時41分
 たばこに含まれるニコチンは肺がん治療に使われる抗がん剤の働きを妨げることを、米南フロリダ大の研究チームががん細胞の実験で明らかにした。ニコチン自体は発がん性がないとされるが、がんの増殖に関与しているらしい。米科学アカデミー紀要(電子版)に3日発表される。

 研究チームは、肺がんの細胞にニコチンを加えたときの抗がん剤の効き目を、日本でも認可されている3種類の肺がん用抗がん剤(ゲムシタビン、シスプラチン、パクリタキセル)で調べた。その結果、ニコチンがあると、抗がん剤で死ぬがん細胞の数が明らかに減ることが分かった。

 喫煙者の血中に含まれるような少量のニコチン量でも、これらの薬効を下げるとみられ、禁煙中でもニコチンパッチやニコチンガムを使うと、薬がうまく効かない恐れがある。

 研究チームによると、ニコチンが加わると細胞内の2種類の遺伝子が活発に働くようになり、抗がん剤の作用を妨げると考えられる。これらの遺伝子の働きを抑制することで、ニコチンの作用も抑えられたという。

2006/04/01

【ファンキー通信】あなたの遺伝子、大丈夫? コーヒー飲むだけでガンに!?【livedoor ニュース 3/28】

 緊張して落ち着かない様子のロベルトが、カフェでコーヒー4杯を前に誰かを待つ。待っていた相手なのか分からないが、現れたスティーヴとの会話。

 スティーヴ「何を飲んでいるの、これはコーヒー?」
 ロベルト 「そう。コーヒーは僕を落ち着かせてくれる唯一の物さ」
 スティーヴ「俺も、好物だよ」
 ロベルト 「これから、どうするんだい?」
 スティーヴ「ゆっくりくつろいで、タバコでも・・・」
 ロベルト 「タバコは吸うんだ?」
 スティーヴ「コーヒーを飲む時だけ。タバコは良く合うのさ」

 ジム・ジャームッシュ監督の至福のリラックスムービー、コーヒー&シガレッツの「変な出会い」より。
 
 タバコとコーヒーを嗜む人には、この会話、十分に頷けるものでしょう。確かにそうですよね。締め切りに追われる人って、この傾向があるような気がします。バーっと仕事して、ちょっとだけって言い聞かせてコーヒー一杯とタバコを一服、一瞬の至福の時を過ごして、また戦闘モード。

 「日ごろストレスを強く感じながら生きている人は、コーヒーとタバコを同時に嗜む方が多いですよね。コーヒーを常飲している人の発ガン率が高いという統計が出ているんですけど、その影にこういう事が隠れているんですよ。まあ、美味しいですからね」

 と話してくれたのは、全国コーヒー協会専務理事の山下さん。

 この程、カナダ・トロント大などの研究チームが、遺伝子の違いによってはコーヒーが心筋梗塞を引き起こしやすくなるのでは!? という論文を、米医師会雑誌に発表したというニュース。遺伝子の酵素CYP1A2というものが関係しているらしいんですが、難しくて良く分からないので、山下さんに簡単に解説していただきました。

 「対立遺伝子の問題なんですよ。突然変異でカフェインを分解する酵素を分泌できなくなってしまう遺伝子が、優性になってしまうんです。そういうことが体の中で起きてしまうと、1日にコーヒーを2杯飲んだだけで心筋梗塞での危険性がぐっと高まるというもの。将来的にはそうした遺伝子のタイプ別に、食事指導の必要性があると言われているみたいですね。今まで提出されていた論文では、心臓疾患系の病気にコーヒーは無関係とされているものがほとんどだったので、新しい見解だと言えますね」(山下さん)

 なるほど、問題はコーヒーの摂取量が多い少ないではなく、遺伝子がカフェインを分解できるかどうか、ということが問題なわけです。コスタリカで行われた実験では、健康な2000人の内、半数はこのカフェイン分解が遅い遺伝子を持っているそうです。

 でも、この遺伝子の論文、1つの解釈であって、そこまで絶対的な証明はされていないよう・・・。たかがコーヒー、されどコーヒー。なかなか難しい「嗜好品」のようです。(小川晶子/verb)

■関連リンク
全国コーヒー協会
2006年03月28日00時08分

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