2005/09/14

喫煙者:お肌、5歳老化 ビタミンC破壊で?メラニン増加 ポーラが女性30万人調査【毎日新聞 9/14】

 たばこを吸う女性は吸わない女性に比べ、5歳以上も肌が“老化”している−−ポーラ化粧品本舗(東京都品川区)が、20〜70代の約30万人の女性の肌状態と喫煙の関係を調べ、こんな結果が出た。喫煙が肌に及ぼす影響をこれほど大規模に調べた例は、世界でも少ない。喫煙は美肌を目指す人にとって、やはり大敵のようだ。【國保環】
 昨年6月〜今年5月、全国の訪問販売先や店頭などで、同意を得て皮膚表面の角質層を採取。同時に喫煙状況も尋ねた。喫煙者は全体の約23%で、20代が最も多かった。
 同社によると、しみやくすみの原因となる細胞中のメラニン量は加齢とともに増えるが、状態が良い肌は量が少なく、分布も均一。逆に色むらが目立ちくすんだ肌は量が多く、細胞によるバラつきも大きいという。
 同社は採取した細胞中のメラニンを染色して300倍に拡大し、含有量を3段階で数値化。この結果を、喫煙者と非喫煙者に分けて年齢別に集計したところ、明確な差異が表れた。年齢別の平均メラニン量は、吸い始めて間もない20歳では大差ないが、以後は全年齢で喫煙者の方が1〜2割程度多く、ほぼ5歳上の非喫煙者のメラニン量に相当。吸わない人より「肌年齢」が5歳老けている状態だった。
 更に、紫外線によく当たる生活をしているか否か、という条件を加えると「よく当たりたばこも吸う」人と「あまり当たらずたばこも吸わない」人の肌年齢の差は10歳以上に広がった。
 原因について同社は「メラニンの生成や着色を抑えるビタミンCが、喫煙によって破壊されるためと考えられる」と分析。「肌の潤いを示す保水力も喫煙者の方が少なかった。一般に『喫煙は肌に悪い』と言われてきたことを、データで立証できたのではないか。肌の衰えが気になる喫煙者は、まずはたばこを控えた方が良い」と話している。
毎日新聞 2005年9月14日 東京夕刊

2005/09/09

太りすぎは大腸がんに注意 男性でリスク1・4倍に【Yahoo!ニュース 9/9】

 体格指数(BMI)が27以上の太りすぎ男性は、25未満の男性に比べて大腸がんの発生率が1・4倍に上昇するという大規模疫学調査の結果を厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が8日発表した。
 研究班は、岩手、長野、沖縄県など全国10地域で、40−69歳の男女約10万人を約9年間にわたって追跡調査。肥満と大腸がん発生の関係について調べた。
 この結果、追跡期間中に約1000人が大腸がんになり、BMIが27以上の男性は、25未満の標準ややせた男性に比べて大腸がんになるリスクが1・4倍高くなることが分かった。また女性では肥満指数による大腸がんリスクの上昇はなかった。
(共同通信) - 9月8日21時4分更新

体内時計:夜遅く食べると太る、仕組み解明 日大グループ【毎日新聞 9/9】

 生体リズムを刻む体内時計を調節しているたんぱく質が、細胞内への脂肪の蓄積と密接に関係していることが、日本大薬学部(千葉県船橋市)の榛葉繁紀(しんばしげき)専任講師(衛生化学)らの研究で分かった。このたんぱく質は昼間は体内でほとんど作られず、深夜になると増える。「夜遅く食べると太る」仕組みが分子レベルで示された。
 科学誌の「米国科学アカデミー紀要」電子版に論文が掲載された。
 たんぱく質は「BMAL1」と呼ばれる。DNAに結合し、体内時計が正常に働くよう調節する働きがある。榛葉講師らは、細胞内にBMAL1の量が多いと、脂肪の量も多いことに着目した。
 そこで遺伝子操作で、BMAL1を持たないマウスの細胞を作り、脂肪の蓄積の様子を調べた。この細胞にインスリンなどを加えて、栄養過剰の状態にしても、細胞内の脂肪は増えなかった。
 一方、皮膚などに存在する脂肪を蓄えない細胞には本来、BMAL1はほとんどない。こちらの細胞を遺伝子操作し、BMAL1を大量に作らせる実験をすると、細胞内には脂肪が蓄積された。
 他の実験から、BMAL1は、脂肪酸やコレステロールの合成を促進していることも分かった。このため、BMAL1が脂肪の蓄積に必要だと結論づけた。
 榛葉講師は「体内のBMAL1の量は、一日のうち午後10時から午前2時ごろが最高で、最も少ない午後3時ごろの約20倍に達する。夜遅くの食事を避ければ肥満予防につながるのではないか」と話している。【下桐実雅子】
毎日新聞 2005年9月9日 10時48分

2005/09/04

食生活:満腹はがん招く? 緑茶・キャベツはよい効果【毎日新聞 9/4】

 満腹するまで食べる習慣のある男性は、がん化を抑える遺伝子の働きが弱まっている率が高く、逆に、キャベツやブロッコリーなどを多く食べたり緑茶を多く飲む男性ではこの率が低いことが、東京医科歯科大(東京都文京区)の湯浅保仁教授(分子腫瘍(しゅよう)医学)らの研究で分かった。14日から札幌市で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。がんに関連した遺伝子の働きが食生活で変化することが分かったのは初めてという。
 湯浅教授らは、同大病院などで手術を受けた男性の胃がん患者58人にアンケートし、がんになる以前の食事の量や内容などを聞いた。一方で患者ごとに、手術で切り取ったがん細胞を多数分析し、がん化を抑えると考えられている遺伝子「CDX2」の働きを調べた。
 「満腹するまで食べていた」と答えた22人のうち10人(45%)では、細胞の一部でこの遺伝子が「メチル化」と呼ばれる化学変化を起こし、働かなくなっていた。これに対し「腹八分」または「意識的に食事の量を少なくしていた」とした35人では、メチル化が起きていたのは10人(29%)にとどまった。無回答が1人いた。
 ほうじ茶を含めた緑茶を飲む量では、日に6杯以下と答えた43人のうち17人(40%)にメチル化がみられた。7杯以上飲んでいた14人では2人(14%)と少なかった。無回答は1人。またキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーのどれかを食べる回数でみると、週に2回以下とした32人中14人(44%)にメチル化があったのに対し、3回以上と答えた26人中では6人(23%)だった。
 メチル化は老化とともに増えるが、解消されて元に戻ることもある。緑茶が含む「カテキン」を細胞に注入すると、遺伝子の一部でメチル化が解消されたとの実験結果もある。ただ、多量の食事でメチル化が増える仕組みや、キャベツなどで減る仕組みは不明だ。
 湯浅教授は「研究が進めば、食生活の改善でメチル化を抑えたり、がん抑制遺伝子の働きを強めてがんを予防したりできるのではないか」と話している。【高木昭午】
毎日新聞 2005年9月4日 3時00分

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