2006/07/28

公務出張マイレージ加算、私的使用いいの?【読売新聞 7/28】

 公務出張で航空機を利用した場合のマイレージサービスを巡り、取得した特典の私的使用を認めるかどうかで、中央省庁の対応が分かれている。


 会計検査院が今年度から公務出張でのマイル取得を禁じたのに続き、法務省も今月、取得を禁止した。

 一方、海外出張が多い外務省など、大半の省庁は「個人の判断」と容認する。

 マイルがたまれば無料航空券も手に入るが、元手が税金であるだけに、今後、論議を呼びそうだ。

 マイレージサービスは現在、日本航空(JAL)、全日空(ANA)をはじめ各国の航空会社が導入している。海外など遠方への出張が多い利用者は、出張分も加算すれば特典を受けやすい。

 ただ公務員が、出張で取得した特典を利用することについては、“公費”との兼ね合いもあり、以前から疑問の声があった。しかし、国家公務員の旅費法には規定がなく、具体的な方策はとられてこなかった。

 検査院は「職員には公費の公正な使い方について、より高い意識が求められる」と判断、今年度から、出張分のマイルを加算しないよう職員に通知した。法務省も今月14日、同様に禁止を通知した。いずれも内部の申し合わせのため、違反しても罰則はない。

 財務省は「具体的な対応はまだだが、検討する可能性はある」という。

(2006年7月28日14時31分 読売新聞)

知りたい:日本人の平均寿命 右肩上がり、何歳まで?【毎日新聞 7/28】

<2006・チャンネルYou>
 05年の日本人の平均寿命は6年ぶりに前年を下回ったと厚生労働省が発表した。とは言え、女性は21年連続の1位(85・49歳)、男性も世界4位(78・53歳)と相変わらずの長寿国ぶり。不老長寿は人類長年の夢。さて、日本人はどこまで長生きできるようになるのだろう。【高橋昌紀】
 ◇2300年国連予測、男女とも100歳超
 ◆あと20歳?
 2050年の日本人の平均寿命は男性は80・95歳、女性は89・22歳−−。そんな予想値を02年に出したのは国立社会保障・人口問題研究所(東京都千代田区)。国勢調査のデータなどを基にした。今回のデータと比べると、45年後には男性は2・42歳、女性は3・73歳も寿命が延びる計算だ。
 国連が04年に発表したリポートでは、2300年の日本人の平均寿命は女性108歳、男性104歳になると予測している。1950年から2050年までの人口リポートを基に、このまま寿命が延び続けることを想定してはじき出したという。
 終戦直後と比べると、平均寿命は約30歳も延びた。同研究所情報調査分析部の石川晃第2室長は医療技術・設備の進歩や生活水準の向上が要因と説明。乳幼児や若年層の死亡率が低くなったことも長命化に寄与していると指摘する。
 ◆生命の限界は
 では、人はどれだけ長生きができるのだろうか。国立長寿医療センター研究所(愛知県)によると、寿命の限界は120歳ほど。ただ田平武所長は「世界最高齢者がそれくらいとされており、そう推測しているが、実際の限界は分からない。ネズミなどでは寿命をつかさどる遺伝子の解析が進んでおり、人間の長命化に役立つ可能性はある」と説明する。
 長寿を目指す研究も盛んだ。東京工業大学の相澤益男学長は「衰えた器官などを再生するための、『生命のプログラム』探しを続けている」と語る。生命工学の進歩によっては、平均寿命はさらに延びるかもしれない。
 ◇「予防医療重視に転換を」
 ◆老化防止が重要
 平均寿命が前年を下回ったのは、95年以降では95、98(男性のみ)、99年。厚生労働省人口動態・保健統計課の担当者は「いずれも今回同様、インフルエンザや自殺の増加が原因」と話しており、突発的要因を除けば、右肩上がりの傾向は今後も変わらないと言う。
 こうした見方に異を唱えるのは女子栄養大(埼玉県坂戸市)の香川靖雄副学長だ。「日本人の寿命の長さは高額な医療費に支えられてのもの。財政破たんで医療制度が維持不能になれば、短くなりかねない」と分析。食生活の米国化で肥満が増加しており「糖尿病など生活習慣病が増え、これが平均寿命を押し下げる要因になりかねない」と香川副学長は話す。
 男性79・0歳=世界1位、女性84・7歳=同2位の香港は病気予防に主眼を置いており、日本も予防医療重視に転換するよう説く。
 もちろん、ただ長く生きればいいわけではない。田平所長、相澤学長はともに「平均寿命の数字だけに一喜一憂してはならない。長生きをしても、寝たきりでは問題。いかに老化を抑えるかが重要です」と話している。
毎日新聞 2006年7月28日 東京夕刊

2006/07/20

食物繊維少ないと危険 大腸がんリスク2・3倍【Yahoo!ニュース 7/20】

 穀物や野菜などに含まれる食物繊維は、1日10グラムを超えて取っても大腸がんの予防効果に差は出ないが、摂取量が少ないと発症の危険性は2・3倍に高まるとの調査結果を、厚生労働省研究班が20日発表した。
 同様の結果は欧米でも出ており、適度な摂取が健康維持に大切との見方を裏付けた。厚労省は生活習慣病予防などの観点から大人で15−20グラムの目標を掲げているが、大腸がん予防だけなら10グラムで足りるかもしれないことを示した形だ。
 大谷哲也群馬大助手(公衆衛生学)ら研究班は、新潟県、大阪府など9地域で、40−69歳の男女約10万人を1990年から最大12年間追跡。95年以降に大腸がんを発症した522人で、食生活との関連を詳しく調べた。
(共同通信) - 7月20日14時5分更新

2006/07/19

とっても痛い「尿路結石」、治療と予防法【夕刊フジBLOG 7/19】

【サラリーマンを襲う病気】
 尿路結石は痛い。 それも尋常ではない痛さだ。突然発作が起こると顔面 蒼白(そうはく)となり救急車で病院送り間違いなしだが、日本人の約5%が尿路結石を起こし、再発率は30?40%といわれている。そして 罹患(りかん)者の多くは40代の男性なのだ。治療と予防について専門医を取材した。(2006.07.04紙面掲載)

■なぜあんなに痛い
 実は筆者は「結石持ち」で激痛を経験している。なぜこれほど痛いのか? 大和病院(東京都板橋区)泌尿器科の山本隆次副院長が説明する。
 「痛みの原因のひとつは水腎症です。結石のせいで尿の流れがさまたげられ、尿が腎臓にたまると、水圧で腎臓の回りの被膜が伸びて痛みを感じるのです。もうひとつの原因は、異物を出そうとして尿管がけいれんするからです」
 尿路結石の診察はさほど難しくはない。超音波、レントゲン、CTなどで石の存在とその位置を確認する。石がそのまま腎臓にあれば腎結石、尿管に落ちてくれば尿管結石と呼ぶ。

■爆雷と同じ原理
 一方、治療法は1980年代中ごろに大きく変わった。30年ほど前は、10ミリ以上の石は開腹手術で取り出し、それ以下の石は点滴や飲料で水分を十分摂取して、自然に排出されるのを待ったのだが、その後、体外衝撃波による結石破砕機が登場した。山本副院長が仕組みを説明する。
 「潜水艦に被害を与える爆雷と同じ原理です。爆雷が爆発すると、海水中に強い衝撃波が伝わります。衝撃波は空気中ではすぐに力が失われますが、水中では威力が衰えません。ですから初期の破砕機は、体を水の中に漬けるものでした。最新の破砕機は、患部が接するクッションの中に水が入っています」
 破砕機はミリ単位の焦点域で結石に焦点を当て、衝撃波を発射する。石は砕けて3?4ミリの破砕片になる。発射間隔は、石の位置によって変える。治療時間は石の数やその堅さしだいで、10分のときも1時間のときもある。平均3000発前後衝撃波を撃つという。

■皮膚や内臓に痛みも
 負担がさほど大きくはない治療だが、衝撃波は皮膚と内臓に痛みを感じる。出力の強い機械を利用するときは麻酔を、最新の機械の場合は鎮痛剤の注射を打つ必要がある。副作用の心配はないのだろうか?
 「尿管であればほとんど問題ありませんが、腎臓に撃つ場合は、1%の確率で腎臓の外に血の塊(腎被膜下血腫)ができます。また、腎臓にあるときは無症状だったのに、砕いた石が尿管に落ちて、翌日痛くなることもあります」
 腎結石は自覚症状がないことが多く、そのまま放置すると、水腎症が悪化して腎機能が失われる危険がある。さらに、結石にはバイ菌がつきやすく、急性腎盂(う)腎炎を併発することも。それらを考えると自然排出が不可能な結石は破砕すべきだろう。

■悪玉はシュウ酸と尿酸
 もちろん大切なのは結石を作らない予防だ。結石の主成分のシュウ酸はホウレンソウ、キャベツ、カボチャ、バナナ、コーヒー、チョコレートなど実に多くの食品や飲料に含まれている。それでも幸いいい手がある、と山本副院長。
 「シュウ酸は腸管内でカルシウムと結合します。ですから、カルシウムを意識的にとることです。たとえばホウレンソウはちりめんジャコといっしょに食べる、コーヒーはミルクコーヒーにして飲むなど。カルシウムと結合して体外に 排泄(はいせつ)されますから」
 一方、尿酸が主成分の結石もある。その場合は、プリン体を含む肉やアルコールを避けて、野菜を多めに食べ、尿をアルカリ化すること。尿酸は弱酸性の尿に溶けにくいからだ。
 「いずれにしろ、体を適度に動かして水分をとるのが一番の予防です。尿が腎臓に停滞して、シュウ酸や尿酸の濃度が高くなれば、結石ができやすくなります」と山本副院長。汗をかくこれからの時期は特に危険だ。水分を十分にとろう!

【尿路結石】
 戦後、急増した生活習慣病のひとつ。罹患者が多いのは中高年の男性。結石の主な成分はシュウ酸と尿酸で、食事との関連性が強い。体内で尿酸となるプリン体含有のアルコールや動物性タンパク質、シュウ酸を含む野菜や飲料などを大量に摂取し、それらの尿中濃度が高くなると、腎臓で結石が形成される。主な症状は排尿時の痛み、排尿障害、血尿など。尿中の濃度を減らすために1日の尿量が2?程度となるように水分をとるのが最も簡単な予防法。


■大和病院
 わが国でもっとも早く結石破砕機を導入した病院のひとつ。約2万例の治療経験がある。破砕センターは最新の破砕機リソトリプターU/50のほか、体を水に浸す初期の破砕機HM?3もある。後者は出力が大きいので、特に大きな石を破砕するときに使い、その他の石はU/50を使用する。治療は普通1泊2日で、費用は保険治療で8万円前後。問い合わせは電話03・3962・3341。

2006/07/14

好きな音楽でホルモン安定 高齢者に効果、予防に利用【Yahoo!ニュース 7/14】

 好きな音楽を歌ったり聴いたりすると、高齢者の性ホルモンの量が安定する効果があるとの研究結果を福井一奈良教育大教授(音楽生理学)らが13日までにまとめた。
 性ホルモンの減少は、認知機能の低下やアルツハイマー病の発病率が高まる要因とされており、福井教授らは予防につながる音楽療法を考案したいとしている。
 奈良市老人福祉センターのコーラスグループに参加している人の協力を得て実験した。
 事前に参加者の好きな曲を調べ、「みかんの花咲く丘」「憧れのハワイ航路」など昔の流行歌を合唱したり、生演奏を鑑賞。童謡に合わせてお手玉を使って体を動かしたりし、月1回、2時間活動。唾液(だえき)中の男性ホルモンと女性ホルモンの量の変化を調べた。
 服用している薬などの影響が少ない64−83歳の女性36人では、ホルモン量が多い人は減少、少ない人は逆に増加し、一定量に収束する傾向があった。心理テストでも、抑うつや不安が緩和していた。

(共同通信) - 7月14日0時49分更新

2006/07/13

たばこの毒、細胞内ではダイオキシン並み 山梨大研究【朝日新聞 7/13】

2006年07月13日12時31分

 たばこを吸うと、猛毒ダイオキシンが大量に体内に入った時と同じ反応が細胞内で起こる——。こんな報告を、山梨大医学工学総合研究部の北村正敬教授(分子情報伝達学)らが、米学術誌「キャンサー・リサーチ」15日号に発表する。

 ダイオキシンはヒトの体内に入ると、細胞にある受容体(カギ穴)にカギが入るように結びついて細胞を活性化させ、毒性を発揮する。国は健康に影響しない1日の摂取量を、体重1キロ当たり4ピコグラム(ピコは1兆分の1)と示している。

 北村さんらは、たばこの煙とこのダイオキシンの受容体とのかかわりに着目。市販されているたばこ1本分の煙を溶かした液体を使い、マウスの細胞の反応を調べた。国の基準の164〜656倍のダイオキシンが受容体に結びついた状態にあたる活性がみられ、タール量が多いと活性も高くなる傾向が出た。

 さらに、受容体に結合すると血中に特殊な酵素が出るように遺伝子を操作したマウスに、たばこの煙を吸わせると、24時間後に酵素の量が約5倍に増えた。

 北村さんは「たばことかかわっていると見られる発がんや妊娠異常などはダイオキシンの健康被害と似ており、同じメカニズムが関与している可能性がある」と話す。

   ◇

 〈キーワード:受容体〉 細胞や細胞膜に存在し、ホルモンや化学物質などと結合して細胞内に反応を起こすたんぱく質。ダイオキシンはAh受容体(芳香族炭化水素受容体)と結合し、毒性を発揮する。

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