2007/08/14

先天障害リスク下げる「葉酸」、進まぬ摂取【読売新聞 8/14】

 先天障害の発症リスクを低下させる効果があるとされる、ビタミンB類の一つ「葉酸」について、妊娠前から積極的に摂取していた妊婦はわずか1割台にとどまることが、横浜市立大などの調査で分かった。


 厚生労働省は2000年、妊娠を計画している女性に対し、1日当たり0・4ミリ・グラム以上の摂取を推奨したが、同省の呼びかけが浸透していない実態が浮き彫りになった。

 同大市民総合医療センターの高橋恒男教授(産科)らは、05年9月〜06年1月、妊婦健診で同センターを訪れた妊娠24〜26週の女性198人を対象にアンケート。148人(平均年齢31・4歳)が回答した。

 その結果、以前から葉酸について「よく知っていた」と回答したのは11・5%、「少しは知っていた」が61・5%で、合わせて73%の妊婦が葉酸を知っていた。また、同省の呼びかけは、「よく知っていた」「少しは知っていた」を合わせると、半数の48%が知っていた。

 しかし、葉酸が母体内で効果を発揮する妊娠1か月前から妊娠に気づくまでの食生活について尋ねたところ、「葉酸を意識してとっていた」と答えた妊婦は16・9%だけ。サプリメント(栄養補助剤)などを用いて、積極的に葉酸を摂取していたのは全体の13・5%に過ぎず、葉酸の知識が実際の行動につながっていないことが明らかになった。

 高橋教授は「葉酸を積極的にとる女性が増えないのは、日本はサプリメントを利用する習慣が一般的ではないためではないか。米国ではシリアルなど穀物の加工品に葉酸の添加を義務づけており、日本でも米国のような政策をとるのが望ましい」と話している。

(2007年8月14日8時57分 読売新聞)

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2007/08/08

肥満、家計にも「重く」…20キロ超過で医療費2・5倍【読売新聞 8/8】

 肥満は家計の大敵——。平均体重より約20キロオーバーすると、医療費は糖尿病で2・5倍、高血圧症で1・3倍に膨らむことが、京都大経済研究所の古川雅一研究員(医療経済学)の調査でわかった。


 肥満が健康を脅かすだけでなく、家計にも重い負担となることが裏付けられ、古川研究員は「家計のためにもダイエットを」と呼びかけている。

 日本人の平均身長(男性167・1センチ、女性153・7センチ)と平均体重(男性65・6キロ、女性52・9キロ)の場合、体重を身長の2乗で割り、肥満傾向を測る体格指数(BMI)は23前後。日本肥満学会は25を超えると「肥満」と判定している。

 解析では、BMIが23では、1人当たりの年間医療費は糖尿病で9万1000円、高血圧性疾患が5万円だが、体重が約20キロ増えてBMIが30になると、それぞれ22万7000円、6万5000円となり、肥満度が上がるにつれて医療費も増加した。

 調査では、厚生労働省が身長や体重、血圧、血糖値などのデータをまとめた「国民健康・栄養調査」の延べ約1万人分のデータと、同省が疾病ごとの医療費を集計した「国民医療費」のデータを利用。BMIと糖尿病、高血圧性疾患の医療費との関係について解析した。

(2007年8月8日20時28分 読売新聞)

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2007/08/03

実は科学的データのない『ローヤルゼリー』効能【夕刊フジBLOG 8/3】

 古くから不老長寿や免疫能力の向上、疲労回復などによいといわれる「ローヤルゼリー」。働きバチの喉頭腺から分泌されるミルク状の物質で、働きバチの幼虫や、女王バチになる幼虫が成長していくために、生涯にわたって取り続ける食物となる。

 原料は、働きバチが花から集めてきた花粉を体内で消化し分解したもので、はちみつとは異なるようだ。働きバチより約40倍の寿命をもつといわれる女王バチの栄養源とされ、水分やタンパク質、糖分、脂質、ビタミンなどから構成されているという。

 世界的に注目されたのは1950年代。当時のローマ法王が肺炎や老衰で危篤に陥った際、医師がローヤルゼリーを摂取させたところ、健康を回復したと言われている。

 では、科学的なデータはどうなのか? 国立健康・栄養研究所のウェブサイト情報によると、ヒトでの有効性を調べた試験において、現時点では「信頼できるデータが見当たらない」としている。

 さらに、安全性について「各種アレルギー反応が起こる可能性があり、ぜんそくやアトピーの患者に対しては使用すべきでない」「信頼できるデータが十分でなく、妊娠中・授乳中は使用を避けること」などの注意も呼びかけている。

 サプリの臨床データを調べている『おない内科クリニック』(群馬県伊勢崎市)の小内亨医師も「女王バチ用の栄養源ではあるが、はっきりとした科学的なデータは聞いていない。一方、副作用報告では、アレルギーが出ているようだ」と、話している。
(2007.07.17紙面掲載)

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2007/08/01

大腸がん:生活習慣上の予防策を大規模調査 厚労省【毎日新聞 8/1】

 大腸がんと生活習慣の関係が、国立がんセンターや群馬大などでつくる厚生労働省研究班の大規模調査で明らかになった。男性はビタミンB6摂取、女性は1日3杯以上のコーヒーで発症の危険性が下がり、適度な日光浴は男女とも直腸がん予防につながる可能性があるという。
 研究班は9府県の40〜69歳の男女約9万6000人を調査。コーヒーを1日3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない女性に比べ、大腸がんになる危険性が約3割低かった。粘膜を越えて進行する結腸がん(結腸浸潤がん)に限ると、3杯以上の女性は飲まない女性より56%も低い。男性では、関連は見られなかった。
 一方、男性では、魚やナッツに含まれるビタミンB6が効果を示した。同様の男女約8万人を調査。1日当たりのB6摂取量で男性を4グループに分け、大腸がんとの関係を比べた。その結果、最も摂取量が少ないグループは、他のグループより危険性が30〜40%高かった。週に日本酒約7合(エタノール換算で150グラム)以上飲む男性でも、B6摂取は効果があった。女性ではB6との関連は見られなかった。
 また、男女約4万人を対象に、体内のビタミンDの貯蔵量別に4グループに分け、直腸がんとの関係を調べたところ、最も少ないグループは最も多いグループに比べ、男性で約4.6倍、女性で約2.7倍も直腸がんになりやすかった。ビタミンDは紫外線によって多く合成されるため、適度な日光浴が、直腸がん予防につながる可能性があるとみられる。【大場あい、永山悦子】

毎日新聞 2007年8月1日 15時00分

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