2004/06/09

たそがれ時の光でたんぱく質増 夜更かしで狂う体内時計

 夜更かしをすると体内時計が遅れ、翌日の生活リズムが乱れる。時計を狂わす原因は、たそがれ時に明るい光を浴びると増えるたんぱく質にあることを深田吉孝・東京大教授(神経生物学)らが動物実験で解明した。このたんぱく質を減らせる薬ができれば、極端な不眠など体内時計が正常に働かない病気の治療につながる。8日発行の米国の生命科学専門誌に発表する。

 深田教授らはニワトリに夜間も光を当て続ける実験をした。体内時計を刻むたんぱく質は夜に増え、昼に減るが、「E4BP4」というたんぱく質が体内時計を刻むたんぱく質の生産を抑えてしまうことが以前から分かっていた。今回、人が夜更かしをするときのように、ニワトリに夜の前半6時間、光を当てた場合にだけ、E4BP4が増えて、体内時計を刻むたんぱく質が夜になっても増えず、体内時計に遅れが生じる、という仕組みが解明できた。

 また、E4BP4はリン酸化酵素の働きで次々と分解され、6時間分夜更かしをしても、時計のずれは2時間で済むことも分かった。

 深田教授は「多少の夜更かしや時差なら自然に体内時計は修正される。E4BP4を減らす薬ができれば、大きな時差にも対応できるようになるかもしれない」と話す。

(朝日新聞 06/09 13:42)

2004/06/08

国際高校生論文コンテストで日本人初の入賞

 東京都立小石川高出身の津村加奈さん(18)の論文が、ポーランド科学アカデミー物理学研究所が主催する高校生の論文コンテスト「第12回ノーベル物理学賞への第一歩」で日本人として初めて入賞した。日なたに置いた金属がなぜ熱くなるのかを調べた。今年11月、同研究所での1カ月の研修に招待される。

 津村さんは同高2年生の物理の授業をきっかけに相対性理論に興味を持ち、理系進学を決めた。3年生に進級した03年、物理担当の上條隆志教諭に紹介されてコンテストの準備を始めた。

 論文では、金属は光を跳ね返すので熱の吸収量が少ないが、放出量も少ないため熱がこもると仮説をたて、検証した。縦横40センチのアルミ板を日光にかざしたり、室内でスポットライトに当てたり、試行錯誤を繰り返して半年間実験し、ほぼ仮説通りの結果を得た。

 最後の難関は論文を英語で書くこと。アメリカの大学で使われる物理の教科書を枕元に置き、徹夜続きで仕上げたという。提出期限に1日遅れ、審査委員長に電子メールで、読んでくれるように直訴したが、返信は来なかった。「入賞を知って初めて、読んでもらえたんだと安心しました」と津村さん。

 4月から慶応大理工学部に通っている。有機化学を専攻し、最近は遺伝学にも興味が出てきた。「学者になりたいけど、どれも面白そうで分野を絞れない」

 今回のコンテスト入賞者は津村さんを含め6人。世界の111本の論文から選ばれた。津村さんは「このコンテストをもっと知って欲しい。進路を決めるいいきっかけになる」と話している。

(朝日新聞 06/08 16:26)

2004/06/07

「放射線医学総合研」で不適切な経費処理、部長ら処分

 独立行政法人「放射線医学総合研究所」(千葉市)は7日、不適切な経費処理をしたとして、森明充興・研究推進部長(59)を減給10%(3か月)、主任研究員(57)を戒告の懲戒処分にした。
 同研究所によると、森明部長らは2001年度から3年間、業者から実験用の試薬を購入する際、口頭で注文。伝票は事後に作成し、同研究所に提出していたが、昨年度末、予算を約1000万円超過して試薬を購入していたことが分かり、自ら不適切処理の事実を申し出た。
(2004/6/7/13:57 読売新聞)

予算超過で2人懲戒処分 放射線医学総合研究所

 放射線医学総合研究所(千葉市)は7日、予算を超えて実験用物品を購入し続けていたとして、研究推進部長を減給10分の1(3カ月)、主任研究員を戒告の懲戒処分にしたと発表した。私的流用など不正はないという。
 同研究所によると、部長らは生物の皮膚の放射線障害などを研究していた2001−03年度の3年間に、正規の手続きを踏まずに試薬などの消耗品を業者に発注。購入を続けた結果、計約1000万円が予算内で精算できなくなった。
 同研究所は別の予算から、未払い分を業者に支払う。(共同通信)
[6月7日12時4分更新]

2004/06/03

マクドナルドが新メニュー

日本マクドナルドは、歯ごたえのあるパンや大きめの肉を使ったハンバーガー「マックグラン」(税込み315円)と「ダブルマックグラン」(同399円)を16日に発売する。ビッグマック(通常価格は同262円)より高い。従来のハンバーガーが1枚45gの肉を使っているのに対し、1枚80gの肉を使う。レタスとチーズもはさみ、粒マスタードソースとケチャップで味付けした。 (朝日新聞 06/03 20:36)

2004/06/01

BSEにならない牛開発 ただし医薬研究用

 キリンビールは31日、牛海綿状脳症(BSE)に感染しないように牛の遺伝子を操作することに成功したと明らかにした。BSEの原因物質とされるたんぱく質の一種、プリオンの遺伝子を破壊したため、生まれつき体内にプリオンを持たないという。現在胎児で、来年2月に出産する予定。

 同社は免疫反応を利用して病気を治療する「抗体医薬」の研究開発を進めており、今回、ウシ抗体遺伝子とプリオン遺伝子を同時に破壊することに成功した。人間に役立つヒト抗体だけを持つ牛が生産できれば、抗体医薬の生産が飛躍的に高まると期待している。

 ただし、今のところ食用に開発する考えはない、という。 (朝日新聞 06/01 12:35)

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